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決断疲れ

2025.11.20

皆さん、こんばんは!
11月も後半にさしかかり、今年もあと1ヶ月とちょっとですね。

今年はやり残しなどなかったでしょうか?
今日は「なぜ私たちは選ぶだけで消耗するのか」についてお話ししたいと思います。


私たちは、思っている以上に多くのことを「決断」しながら生きています。

何を着るか
何を食べるか
どの作業から始めるか
どんな返信をするか
どういう言葉を選ぶか

一つひとつは小さな判断でも、それが一日に何百回と積み重なる。
そして多くの場合、この「決断」が、集中力や意欲を静かに削っていきます。

◆ 決断はエネルギーを使う行為

心理学や行動科学の分野では、
意思決定は認知資源と呼ばれる脳のエネルギーを消費する行為だとされています。

これは筋肉と似ています。
使えば使うほど疲労し、判断の質が落ちていく。
これがいわゆる「決断疲れ」あるいは「意思決定疲労」と呼ばれる現象です。

有名な研究では、裁判官の判決データを分析すると、
休憩の後ほど寛大な判断が増え、時間が経つにつれて判断が機械的・保守的になる傾向が報告されています。
つまり、疲れると人は無意識に「考えなくて済む選択」に流れやすくなるのです

◆ 決断疲れが起きると、どうなるか

決断疲れが蓄積すると、次のような状態になりやすくなります。

・どうでもいい選択に時間がかかる
・決めたあとに後悔が増える
・先延ばしが増える
・甘いものや刺激的なものに流れやすくなる
・判断を他人や環境に委ねたくなる

これは意志が弱くなったわけではなく、
単純に「判断するエネルギー」が枯れてきているだけです。

疲れた状態では、
山登りの判断も、夕飯メニューの判断も、
実は同じ回路を通っているというのが、面白いところです。

◆ なぜ「選択肢が多いほど良い」は間違いやすいのか

選択肢が多いと自由なように感じますが、
実際にはその分だけ決断コストが上がります。

選ぶたびに脳は
「他の可能性を捨てる」
という作業も同時に行っています。

つまり選択とは、同時に小さな喪失でもある。
だから選択肢が多すぎると、人は選ぶこと自体に疲れてしまうのです。

これが「選ぼうとするほど迷う」感覚の正体です。

◆ 決断力を守るという考え方

ここで大切なのは、
「決断力を鍛える」というより
「決断力を消耗しにくくする」という発想です。

決断力は筋力よりもバッテリーに近い。
使えば減り、休めば回復するもの。

だから大事なのは
どこにそのバッテリーを使うかを、自分で選ぶことです。

小さなことは「決めない」
重要なことにだけ「決断を残しておく」

という考え方も、実はとても合理的なんです。

◆ まとめ

決断がしんどい日があるのは、
あなたの気持ちが弱いからではありません。

ただ、その日はすでに
たくさんの決断を重ねてきただけかもしれない。

選ぶことは力を使う行為。
だからこそ、ときには
「選ばないという選択」も必要なのだと思います。

決断疲れに気づくことは、
自分の脳をいたわる第一歩です。

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