

2025.11.27
皆さん、こんにちは!
本日が11月最後の更新です。
もう来週からは早くも12月ですね。
もうこの時期から、寒い日の朝は、布団から出るのがなかなか難しい人も多いのではないでしょうか。
今日は何もしない時間の意味について話したいと思います。
「休むことと、空白の違い」です。
まず、私たちはとても忙しくなりました。
仕事、連絡、情報、娯楽、思考。
気づけば、起きている間はほとんどの時間が何かで埋まっています。
その中で「休む時間」は確保しても、「何もしない時間」はほとんど持てていない人が多いのではないでしょうか。
でも本当に必要なのは、休息よりも先に、何も起こらない時間なのかもしれません。
脳科学では、人が何もしていないときに活性化するネットワークがあることが知られています。
これはデフォルトモードネットワークと呼ばれ、
・過去の情報の整理
・記憶の統合
・自己イメージの再構築
・感情の調整
などを担っているとされています。
常に何かを入力している状態では、このネットワークは十分に働けません。
つまり、ずっと頑張り続けている人ほど、脳の裏側の整理が追いつかなくなるのです。
何もしない時間は、サボりではなく、脳が自分自身を整えるための時間でもあります。
休日にベッドで横になっているのに、動画を見て、SNSを見て、メールを見て、ニュースを見て、気がついたら夕方になっていた。
そんな日に限って、妙に疲れていることはありませんか。
それは休んでいるのではなく、ただ入力の内容が変わっただけかもしれません。
脳にとっては仕事の情報も、エンタメの情報も、どちらも刺激です。
だからこそ、本当に必要なのは「休息」ではなく入力が止まる時間です。
面白いことに、創造的な発想や深い判断は、
「考えている最中」よりも「考えるのをやめた瞬間」に生まれやすいといわれています。
シャワー中
散歩中
何もしていないとき
に、ふと答えが浮かぶのはそのためです。
脳は、何もしていない時間に、これまでの情報を裏側で組み直し、新しいつながりを作っていきます。
つまり、空白は思考の敵ではなく、思考の準備期間なのです。
忙しい人はよく、こう言います。
「何もしない時間なんて取れない」
でも実際には逆で、忙しい人こそ、空白が必要になります。
ずっと走り続けていると、方向がずれたまま、加速することもあります。
一度立ち止まって
「何もせず」
「何も考えず」
「ただ時間を通すこと」で
自分がどこに向かっていたかに、はじめて気づくこともあります。
何もしない時間は、無駄でも低生産でもありません。
それは、自分の中に余白を取り戻す行為です。
何かを詰め込むためではなく、自分の輪郭を保つための時間。
少しだけでも、世界との距離をほどくような空白を持つこと。
それが結果的に、集中力も、決断も、創造性も、すべてを支える土台になっていくのだと思います。