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汗をかくほどパフォーマンスが落ちる?

2025.09.04

皆さん、こんにちは!
今日は真夏の運動生理学から考える「適切なトレーニング」の話をします!

「たくさん汗をかいたから、いいトレーニングになった」
「暑さに慣れれば、どんな環境でも戦える」

そんな「気合い」ベースの運動感覚に、疑問を持ったことはありませんか?

実は、運動中にかく汗の量とパフォーマンスの質は、比例しないどころか逆効果になる場合もあることが、近年の研究で明らかになっています。

なぜ「汗をかく=いいこと」と思われがちなのか?

日本は湿度が高いため、「汗をかくこと=体がよく動いている」「代謝が上がっている」といったイメージが根強くあります。
もちろん、発汗は体温を調節するために欠かせない大切な機能です。

しかし、汗のかきすぎ=体にとっては非常事態でもあるという視点は、あまり知られていません。

運動中の発汗とパフォーマンスの関係

体温が上昇し、深部体温(体の内側の温度)が38.5〜39℃を超えると、身体はパフォーマンスを意図的に落とすようにできています。

これは「ヒートインデューサド・ファティーグ(heat-induced fatigue)」と呼ばれ、以下のような現象が起きます。

▼中枢神経からの運動指令が弱まる
▼筋肉の収縮速度が低下する
▼判断力や反応速度が落ちる
▼心拍数・呼吸数が上がり、酸素供給が不足する

つまり、体が壊れないようにブレーキをかけている状態なのです。

実際のデータと研究

▼体重の2%の水分が失われるだけで、筋出力や持久力は約10〜20%落ちる
▼オーストラリア・スポーツ研究所の報告では、体温が40℃近くなると筋肉のパワーは最大で30%低下する
▼マラソン選手の平均タイムは、気温が10℃から30℃になると10〜15分以上遅くなる傾向がある

このように、汗をかいて「よくやった気になる」状態と、実際の身体の機能低下は、しばしばすれ違っているのです。

夏のトレーニングで注意すべきポイント

1. パフォーマンスを高めたいなら「汗を抑える努力」を

▼直射日光を避ける(午前中または夕方に行う)
▼首や脇など、血流の多い部位を積極的に冷やす
▼トレーニング前・中・後で水分だけでなく塩分・ミネラルも補給する

2. 「汗の量」より「動きの質」を見る

汗だくになる=頑張った、ではなく、「フォームが崩れていないか」「反応が鈍っていないか」を見直すことが大事です。
動きが重くなってきたら、それはオーバーヒートのサインかもしれません。

3. 夏こそ「トレーニングしない勇気」も必要

毎日やることが目的化すると、疲労が抜けきらないまま翌日も続けてしまうケースが増えます。
特に夏場は「気温×睡眠の質の低下」によって回復力が落ちていることが多いので、意識的なオフや軽めの調整日を作ることが重要です。

まとめ

▼汗をかくこと自体は悪くありませんが、「かいた量」と「得られた効果」は一致しない
▼真夏は体温上昇によって、筋力・集中力・判断力が落ちることが科学的にも証明されている
▼「汗をかいて気持ちいい」だけで終わらせず、「何が起きていたのか?」を観察する習慣を持つことが、夏のパフォーマンスを守ります


どうでしたでしょうか?
まだまだ暑い日が続きます。

運動する際は気をつけてくださいね!

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